4.ラインハットの異変?

 次にリュカが気付いたときは、その場にマーリンが、自分の後ろにはいつものように馬車があり、ラインハットの城下街入り口に立っていた。

「これが、ルーラ・・・」

「成功、じゃの」

 呆然としながら呟いたリュカの声を聞き、マーリンも呟く。馬車の中ではピエールたちが次々に外を見て驚いた表情をしていた。
 呪文の効果を思い知りながら、リュカたちは早速行動を開始する。実際に場内に入るのはリュカ一人ではあったが、何かのときのためにとピエールはここ でも野営の準備と臨戦態勢を整えていた。
 ラインハットの城下街は以前のデズモンが幅を利かせ圧政を強いていた頃と比べ、随分と生活などが楽になったようだった。そして、街のいたるところに 居た物乞いたちの姿はなくなっていた。
 そんな落ち着きを取り戻した城下街を通り過ぎ、リュカは城門に近づく。城門は以前のように兵が警備をしていたが、そこで止められるようなことはな かった。

「あっ、あなたはリュカ様、どうぞお通りください」

 兵士の一人はそう声を上げて、リュカを中に招き入れてくれた。城内もピリピリとした妙な緊張の糸はなく平穏な空気が流れていた。そんな城内を通 り、リュカは謁見の間まで来た。そこには以前よりもパリッとした服を身に着けたデールが玉座に座り、何かを訊ねに来た者に対して指示を出しているとこ ろだった。

「デール王、ご無沙汰しています」

 話が終わり、リュカの横を訊ねていた者が過ぎていく。それを確認して、リュカはデールに声をかけた。誰かがそこに居ると言うことはデールもわかっ ていたようだったが、それがリュカだと気付き、玉座から飛び上がらんほどに驚いていた。

「リュカさん!!いったいどうしたんですか?今は西の大陸の半ばほどでは・・・?」

 デールはヘンリーからリュカの足の速度などを確認して、今がどの辺りであるかを逆算しているとの事だった。その情報からも、リュカが今ラインハッ トを訪ねられるタイミングではなく、ここにいることがおかしいと首をかしげながら、歓迎してくれた。
 そのまま見ているのも面白いとリュカは感じたりしていたが、人のいいデールをそのまま騙しておくのもどこか気が引けたリュカは、西の大陸のルラフェ ンまで辿り着き、ルーラの呪文を覚えここに来たことを手短に伝える。そして、意外とのんびりしたペースで先に進んでいると言うことをデールに伝えた。

「そうでしたか。ですが一人では何かと大変ではないですか?」

 デールは事の真相を知り、ホッと落ち着いた表情を取り戻してリュカに言う。

「あれ?ヘンリーからは聞いていないんですか?仲間が居るので淋しくはないですよ」

「仲間・・・ああ、魔物たちのことですね。いえ、リュカさんについている時点でそれはもう、魔物ではないのでしょう。お仲間はどこに?」

 ヘンリーから話は聞いているようで、デールは特に驚いた様子もなく、リュカに続けて話す。

「今は城下街から少し離れた場所で野営しています。街中では何かとまずい姿の者もいますし」

 そう言ってリュカは、以前デズモンについていた兵士長役だったスライムナイトたちも仲間になったことをデールに告げた。スライムナイトの姿は街の 誰もが見ていたので、つれてこなかったのは正解だと言いたそうにデールは頷いていた。

「ところで、以前お願いしてあることの進捗を聞きたいのですが」

 まだ半年と経たないものの、数ヶ月がすでに経過してしまっていて、懐かしい話などに花が咲きそうになったところで、リュカはこう切り出した。
 光の教団と子供の誘拐についてはまだ何もつかめていないとの事だった。だが、光の教団自体は存在し、影で布教活動していると言うところまではつかめ たと言うことだった。子供の誘拐などが関連あるかはわからないが、ラインハット筋としては同様の扱いで事を進めるべきだと判断していると言う。ゲマと 天空の勇者についてはまったくの足取りがつかめていないと言うことだった。リュカも入手済みのサラボナのルドマン家の家宝が天空の盾だと言うことは、 噂ではなく事実だと言うことをデールに報告した。
 最後に、サンタローズの復興のことをデールが話そうとしたが、リュカはそれを止める。

「サンタローズは暫くしたらまた、自分の目で確かめに行きます。復興のほう、よろしくお願いします」

 そう言って中間報告を受け取らずに居た。

「で、これからどうされるんですか?」

 デールは暫く何かを考えていたようだったが、リュカにそう訊ねてきた。リュカはこのまままたルラフェンに戻り、サラボナまで進もうとしていること を伝える。

「少し時間が許すようでしたら、兄に会って行って下さい。兄はこの上の部屋で生活しています」

 謁見の間の上の階は居室だったが、以前は王と王妃の部屋として使われていたはずだった。デールが使わずにヘンリーが使っているのはそう変なことで もなかったが、一人で生活するには少し手に余るのではないかと思われた。だが、ヘンリーのことをデールに聞こうとすると、デールは何もしゃべらずに笑 みを浮かべるだけだった。
 リュカは結局自分の目で、いまのヘンリーの姿を確かめに行くことになる。

 

 上の階に上がると、部屋の入り口は一人の兵士が立っていた。リュカはその兵士の方に近づくと、兵士のほうもリュカを知っているのか、あまり警戒し た様子も見せずにいた。

「リュカ様ではないですか!?」

 その兵士はリュカが近づいて、人陰が確信に変わってから声を上げた。リュカは突然声をかけられてびっくりした様子を見せた。

「お忘れですか?以前川の関所で番をしていたトムですよ」

 そこまで言われてリュカはハッと思い出した。サンタローズやアルカパのある大陸とラインハットのある大陸は川で間が分かれていた。そして、そのラ インハットへの入り口に居たのがトムだった。このトムのおかげで無事にラインハット領に入れたと言っても過言ではなかった。

「お久しぶりです。ごめんなさい、忘れてしまっていて」

 リュカは改めてその顔を確認して、そのときのトムである事を確認すると、ペコリと頭を下げて謝罪した。

「いえいえ、ヘンリー殿下ほどの付き合いでしたら覚えているほうが普通ですが、リュカ様とは一度きりですからね。…ところで、デール王から話を聞か れましたか?」

 トムはそう言って少し明るい笑顔を作る。首をかしげて「上にヘンリーが居る」と言うことだけを聞いたと告げると、トムもまた詳細を話そうとせずに 笑みを浮かべるだけだった。何かあると感じつつ、リュカは多くを聞かずに中に入れてもらえるかと確認する。断る理由もなくトムは部屋の扉の前を空けて くれた。
 ノックしてリュカは中に入る。
 部屋の中は男一人にしては嫌に明るく落ち着いた雰囲気があり、また石鹸などのものであろう香りも微かに香っていた。侍女の計らいかも知れないと思っ たが、それもどこか不自然な感じがした。
 部屋の奥から、デールほどの飾りはないが、落ち着いた服装の男性が歩いてくる。

「ん?お客…って、リュカか!?」

 ヘンリーはドアの前で立ち尽くしてキョロキョロとしていたリュカを見て、声を大きく出して駆け寄ってきた。

「ご無沙汰、ヘンリー」

 駆け寄ってくるヘンリーにリュカは小さく手を振って応える。

「デールの話だと今は西の大陸の半ばあたりって話だったんだけど…?」

 ヘンリーも話を聞いているらしく、デールと同じ事を言って首をかしげる。リュカは西の大陸でリンクスが見つかったことやルラフェンまで行き、ルー ラを習得したことなどを話した。

「へぇ、あのときのベビーパンサーがねぇ」

「…ベビーじゃなくて、今はキラーパンサー」

 さらっとヘンリーの間違いにリュカは訂正する。それを聞き、ヘンリーは驚いた顔をする。

「…キラーパンサー!?って、あの地獄の殺し屋って二つ名をもつ・・・?」

「そう。普通は仲間にはならないんだそうだけど、リンクスは小さな頃に陰がなくなってわたしと一緒だった所為で温厚な性格で成獣になったみたいなん だ。確かに牙とか爪は鋭いけど、わたしの前では猫だよ」

 リュカはそう言って笑って見せた。が、その状態で笑えるリュカをヘンリーは大物だと感じざるを得なかった。

「…今度、リンクスにも会わせてくれよ。それはそうと、随分探したんだぞ、おまえのこと」

 話題が変わるが、ヘンリーは困ったような顔をして腕を組んだ。

「…探した?まぁ、随分のんびりと旅してたから、『当たり』をつけて見つけるのは無理だったとは思うんだけど…なにかあったの?」

 困り顔のヘンリーを見て、今までの旅の様子を振り返ってみる。サラボナに急ぐ理由もなかったしカボチではリンクス絡みで一騒動あったのもあり、見 つけるのは困難だったろうなとリュカは感じた。

「いや、まぁ・・・その」

 リュカに訊ねられるとヘンリーは言葉に詰まったようにあやふやな受け答えを始める。

「どうしたの?デール王からは特別なことは聞かなかったけど…。…デール王も外のトムさんもニヤニヤ笑ってわたしを見たりはしてたけど、それが関係 あるのかな?」

 リュカがそういうと、ヘンリーはハッとした顔になる。だが、他の二人と同じように、少しばかり歯切れ悪くヘンリーも事を語ろうとはしなかった。

「…なにがあったのさ。探したってくらいなんだから、わたしも関係のあることなんでしょう?」

 リュカがそこまで言うと、ヘンリーは焦った風に頬を人差し指で掻きながら、なぜか汗をかいていた。

「まぁ・・・。実は俺、結婚したんだよ」

 ヘンリーが勿体つけずにさらっと言って見せた。それを聞いてリュカは呆然としてその場に立ち尽くす。

「け、結婚!?相手は?相手は誰なの!?」

 さすがのリュカもその言葉を聞き、暫くは茫然自失と言った感じで立ち尽くしていたが、我に返ると女として育ってきた環境からかその話題に喰らい付 いた。ガクガクとヘンリーを前後に揺さぶりながらリュカは問い詰めていく。

「わたしを探したってことは見せ付けたかったの?いや、それより誰と結婚したのよ!!」

「私よ、リュカ」

 尚もガクガクと揺さぶるリュカにヘンリーは止めろとも言えない状態で揺さぶられていた。そんなリュカの背後から聞き覚えのある声がして、リュカは 慌てて振り向く。
 そこには、シスターの服ではなく落ち着いた青いドレスを身にまとっているマリアがいた。

「マっ、マリア!?ええっ!?マリアとヘンリーが結婚~!?」

 リュカはマリアを見つけるとひっくり返った声を出して言葉を続ける。そして、ヘンリーとマリアを目が回るような早さで交互に見ながら言った。

「そんなに意外そうな声を出さなくたって良いじゃない」

 マリアはリュカの子供っぽい余りにお決まりの態度にクスッと笑いながら言った。マリアに言われてもリュカはまだ信じられないのか、キョトンとした 驚きの顔でヘンリーとマリアを見ているのが精一杯だった。

「まぁ、そういうことなんだわ」

 ヘンリーの隣にマリアが当然のように寄り添う。その姿を見て尚も驚いた顔を継続させるリュカに、ヘンリーは照れとも恥ずかしさとも取れない笑みを 浮かべてそう言う。

「まぁ、マリアは俺なんかよりもリュカが永遠の恋人なんだろうけどな」

 隣にいるマリアを見ながらヘンリーは呟いた。

「もう未練はないってきちんと誓ったはずだけど?相変わらず意地悪なんだから、あなたったら」

 マリアももう慣れたのか、ヘンリーの少しイタズラっぽい言葉にクスクスと笑いながら言葉を返す。
 リュカは二人がさも当然のようにこうした言葉のやり取りをしているのに違和感を感じていた。そんなリュカを笑うようにマリアはぼうっとしているリュ カの頬を両手でつまんで引っ張る。

「二人とも同時に失恋してそんな状況で傷を舐めあわないとでも思ってるの?私だって色々な事にあこがれるし、ヘンリーだって次の獲物を探そうとする に決まってるでしょう?」

「…マリア、自分で獲物って言うな。俺、そんなに野蛮か?」

 悪さをした妹を叱る姉のようにマリアはリュカの頬をひっぱったままでそう言う。それを聞き呆れ顔でヘンリーも言葉を返す。
 少ししてマリアが手を離して、リュカは少し赤くなった頬を手でこすって痛みを耐えながらヘンリーとマリアをまた交互に見つめていた。

「…同時って…神の塔とかラインハットの解放前後ってこと?」

 不思議そうにリュカが聞くと、マリアがイタズラっぽい笑顔を見せてリュカに軽く拳骨を喰らわせた。

「他にどんなタイミングがあると!?ヘンリーも私も、男とか女とか気にしないで追いかけようとしたのに。それを放棄するんだもの」

 マリアは抗議するようにリュカに言う。それを聞いてリュカは申し訳なさそうな顔をする。

「色々と考えてはみたんだけどさ、わたしも一人、探している人が居るんだ。マリアとヘンリーが受け入れてくれないって言うわけじゃないけど…その人 だったら、わたしの全てを受け入れてくれると思うと、どうしても二人を振りほどくしかなかったんだよ」

 少し俯き、リュカは静かな声でそう告げる。ヘンリーもマリアもその言葉になんとなくわかっていたと言いたそうな表情を見せる。

「その人って、アルカパに居たビアンカさん。違う?」

 マリアがヘンリーと頷きあってからそう言う。その言葉にリュカは今度こそ驚きの表情をして二人を見た。

「俺たちだって納得したかったからな。前にアルカパに行ったときにビアンカって名前を出してただろう?その人のこと、サンタローズで聞いたりして な」

 ヘンリーが少し後ろめたいと言いたそうな様子で言葉にした。

「姉さまって呼ぶくらい慕ってたそうじゃない。その頃は純粋に姉だったんでしょうけど…今はその姉さまが恋愛対象ってわけでしょう?」

 意識しないでも、どうしてもリュカに話をしようとすると意地悪い訊ね方になってしまうとマリアは思った。しかしそう言った態度でしか今はまだ、話 が出来ないようでもあったし、面と向かって真面目に話をしようとするとたぶんマリア自身が逃げたくなるのではないかと思っていた。

 リュカもマリアが意地悪く訊ねて来るのはわかっていたが、その一端は自分が原因だと言うこともわかっていたため、特にそのことについて追求したり はしなかった。

「…恋愛がわからない、ってマリアに言ったのは本当のこと。例えば、女としてヘンリーが好き、男としてマリアが好き、同性としてヘンリーが、マリア が、と言ったことはわからない。だから、ビアンカ姉さまをどういう理由で好きなのかは上手く言えないけど。…ただ、この呪いについても一緒にわかって 戦ってくれるのは、子供の頃から一緒に居たビアンカ姉さまだけだと思うんだ」

 リュカは俯き、申し訳なさそうな声を出してヘンリーとマリアに言う。

「あの・・・べつにヘンリーとマリアが役不足と言うわけではないんだけど、その・・・」

 ただビアンカのことだけを考えているわけではないリュカは、酷く言ってしまっているヘンリーとマリアをフォローしようとしたが、言っているうちに しどろもどろになってしまっていた。そんなリュカをヘンリーとマリアは笑って見ていた。

「あまり気にするなよ、リュカ。からかいついでに片思いの話を出したりはするが、本心じゃない。承知の上で話しているし、リュカがどれだけ俺やマリ アのことを気にしてくれてるかはリュカ以外に俺たちが一番わかってるから」

 ヘンリーは笑いながらオロオロし始めたリュカに言う。その言葉を聞いて、リュカは少しだけホッとする。

「リュカは結婚とかってことは考えたりしているの?」

 マリアは上品に微笑みながらリュカに訊ねる。その言葉を聞いてびっくりした表情を見せたが、すぐにシュンと落ち込むような仕草を見せる。

「…いまのわたしは無理だよ。男に戻るまでは…いや、戻っても頭の中は今のままだろうから…そうなると女思考の男になるから、もっとダメだと思う」

 ポツリポツリと淋しげな声でリュカは言う。まったく考えていないと予想していたマリアとヘンリーだったが、意外としっかりとリュカ自身の現状を把 握していたことに、質問してしまったことを少し後悔していた。

「でも、それを受け入れてくれる人…たとえば、ビアンカさんとかならば」

「…可能かも知れない。だけど、今はまだビアンカ姉さまに会える確証もないし、西の大陸のどこに居るかもわからないからね」

 マリアがリュカを元気付けようとするが、返って泥沼化してしまって、少し慌てる。リュカは溜息をつくと顔を上げる。その瞳には涙がいっぱいにた まっていた。

「いまさら男のようには振舞えないし、ビアンカ姉さまも居ない。天涯孤独ってヤツかなぁ?」

 リュカは涙目になりながら精一杯強がって、笑顔を作ってそう言った。

 

 暫く、リュカが落ち着くまで三人ともその場に立ち尽くしたままで時間は過ぎた。

「ともかく…旅は続けていくんでしょう?」

 一番初めに声を出したのはマリアだった。今までの重い空気を払うような声でリュカに質問する。

「うん。母様がどこにいるかまだ手掛かりはないけど。父様がしていた、天空の勇者探しを続けてみる。そのためにも、サラボナで天空の盾を譲ってもら わないとね」

 これからのことを自分で確認するようにリュカはそう言った。

「そうだ。驚きが先行しちゃって、肝心なことを言い忘れてたよ。ヘンリー、マリア。結婚おめでとう」

 二人の結婚の事実、ましてヘンリーとマリアの二人と言う意外な組み合わせの結婚にリュカは驚きを隠せないで居た。そのため、肝心のお祝いの言葉が すっかり後回しになってしまっていた。リュカは思い出したように二人に満面の笑顔を見せて祝いの言葉を口にした。
 これからの行程としては一度ルラフェンに戻り、ベネットとも話がしたいと思っていたし、そこからまだ先に進まなければならなかった。急ぐ旅ではな かったが、それでも母を探し出すのは出来るだけ早いほうがいい。リュカはそんな事を考えていた。

「ともかく今日は…そろそろ日も暮れるし、ここでゆっくりしていけよ。デールに部屋を用意させるから」

 ヘンリーが言って、リュカは初めて外に目をやった。すでに陽は西の稜線にかかっていて暮れる間近だった。、

「…でも、リンクスたちも居るから…」

「食事の残りで申し訳ないが、なにか用意させるよ、そっちも。そうだ、届けるついでにリンクスに会わせてくれよ」

 リュカの戸惑いにヘンリーは言う。そして、仲間たちに会うと言い出してしまった。
 それにマリアも賛同して、自分たちの食事のあとに馬車まで三人で食事を持って行く。そこでラインハットで悪事を働いていた魔物-ピエールたちと再会 したヘンリーが見つけた瞬間剣を抜いたと言うのはまた別の話。
 ラインハットでもてなされて、色々な旅の話などをしたリュカはそのままラインハットで一夜を過ごした。
 そして翌朝、リュカは食事をとり、ヘンリーとマリアに挨拶をすると、ルーラでルラフェンまで戻って行った。

 

 ルラフェンではベネットがリュカの帰りを待ちわびていた。リュカが再びベネットの元を訪問すると、今度はまた別の古代魔法を生み出すと躍起になっ ていた。
 ルーラを使ったときの状況や効果の程をベネットに報告しベネットもそれに満足したのを確認すると、リュカは礼を告げてその場を去る。宿屋でトリクビ タス夫婦にも礼を言い、リュカはサラボナに向けて旅を再開した。

 

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