Angel’s Whispers 〜天使のささやき〜 Vol.1  /  Page−2

 

 真紅が紗美から距離を置きたいと言う宣言を受けてしばらく後。
 水樹は真紅のところに頻繁に足を運ぶようになっていた。

「ふーん・・・翠浦クンて、結構他人想いなんだね。あ、でもそれは自分が許せる相手、ってこと限定なのかな?…以前は、如月紗美もそんな可愛くて、 一途な想いを心に抱いたまま、なかなか動けないなんて、純情な頃もあったんだけどねぇ」

 紗美の一件から、頻繁に相談と称して、真紅と話をするようになっていた水樹。紗美が真紅と距離を置き始めた時から、間もなく三ヶ月が経とうとして いた。

「うぅ〜ん、如月紗美のことを言う前に、自分のことだよなぁ。私は・・・あんまり清楚って感じでも潔癖って訳でもないから、こんなその辺の誰でもし ている格好でいるし、それこそ男って存在がほしいって、それだけで付き合ってるところは認めるんだけど…それでも、本当の目的って、感じられないんだ よね。翠浦クンと如月紗美がこじれた頃に、私もちょっと喧嘩別れしてね。今はまた違う男とそれっぽい関係になってるけど…正直、なにが面白いのかわか んなくなってるかも」

 真紅自身がなんとなく、紗美離れでき出来てきたと水樹自身も思えるようになったある日のこと。真紅の一途過ぎる部分について少し話して、水樹は自分 のことをこんな風に卑下するような言い方で話していた。
 少しの沈黙。そして、おもむろに真紅が口を開く。

「・・・ご心配、おかけしました。天野先輩」

「ん?ああ、気にしないでぇ、翠浦クン。キミと話するの、楽しいし、なんかこう…新鮮って言うか、ただ他愛も無い話をしているだけでも、なんか違うん だよね。その雰囲気が好きだからさ。別にコレでおしまいって訳じゃないし、些細なことでも、いつでも相談においで」

 とりあえず、水樹と真紅は「如月 紗美を介した、先輩と後輩」と言う関係の範囲内で、それ以上の付き合いはこの時はまだなかった。
 だが、水樹の方が真紅に惹かれるようになるのは、それから間もなくのことだった。


 ある休日の午後。真紅と話すようになって知ったことだが、水樹と真紅は偶然にも普段利用している駅が同じで、駅出口の方向は違うものの、ともすれ ば、頻繁にすれ違っていた可能性が高いということを水樹は知る。
 そして、真紅が普段使うという出口の方で、水樹はまだ付き合いの浅い男と待ち合わせをしていた。少し待ち合わせの時間より早く来た水樹は、所在なさ げにきょろきょろと周囲を見回して、行き交う人々の姿を追っていた。
 休日だけあり人出は多く、人と人がぶつからないのが不思議、と言う感じでさえあった。そんな中で、しかし案の定と言うか、小学校に入って間もないと 思われる子と、誰かがぶつかり、その子は転んでしまっていた。

「あれ・・・?翠浦…クン?」

 転んだ子に手を差し伸べ、申し訳なさそうに謝っている姿を水樹は見つめる。それは真紅だった。人の往来で立ち止まるのは少し無謀とも思える行為だ が、しかし真紅は少し泣きべそをかいているその子を立たせると、真紅もその子と同じ位置に視線を持っていくように、その場にしゃがみこみ、その子に怪 我など無いか心配していた。ただぶつかっただけでは、こんな態度を取る人も少なく、その子自身も真紅の態度に驚いた表情だったが、とりあえず怪我など もないことがわかると、真紅はその子に向けて、学校でも見たことの無いような無邪気な子供っぽい笑顔で、その子の頭を撫でていた。

(へぇ…良い笑顔するんだなぁ、彼。学校じゃ如月紗美とか、他の取り巻きのおかげであまりああいった屈託の無い笑顔なんて見せられないんだろうけ ど…)

 水樹は、何気なく見つめていた真紅にこんなことを思っていた。そして、その瞬間になにか今まで感じることのなかった、虚しさのような、どこか不安 定な感触を自分の中に覚えていた。このとき、水樹は特別真紅に声をかけたりせずに居たが、それが逆に水樹の中にある虚しさ・不安定な感覚を大きくして いた。
 待ち合わせをしていた男と合流して、特に目的もなくただブラブラと歩いていたが、ふと考えにふけると水樹は、真紅のことを考えるようになっていた。 そして、先ほど見かけた笑顔が忘れられなくなっていた。
 目的のない状態でなにがあるのか。そんなことを考えると、今していることがなんだか酷く虚しく感じられ、今自分が感じているその虚しさの要因の一つ ではないかと思うようになった。そして、真紅といろいろなことを話し、もっと実のあることをしたいと願うようになっていた。
 男のほうは、水樹があれこれと考えていて、普段よりも表情も冴えなく、口数も少ないのだが、そんな様子に気付く気配もなく、ただ水樹と歩いているだ けだった。

「・・・ふぅ」

 なんとなく水樹はため息をつく。だが、そんな様子も気にすることはなく、男はただ街の中を宛てなく歩く。

「ねぇ、ただ歩くだけなの?」

 水樹はなんとなく立ち止まり、男に言うが、男は水樹が何を言っているのかいまいち理解してないようだった。

「・・・あんたと居ても面白くないや。今まではそれでも良いのかなって思ったりもしてたけど。ただ「男と一緒」って言うだけなのも、満足できない。 特に、あんたみたいなどこにでも転がっていそうな、誰かの真似ばかりするような男は…つまんない」

 水樹は呟くように言うが、男は水樹が何を言っているのか、そもそも自分のことを言われているのだと言う意識さえ、持っていなかった。

「別に流行とか、誰もがそうするから、って理由で同じことをしなくても良いし、あえて違う自分で居たほうが、そしてそれを導いてくれる人がいるな ら、そっちの人のほうが私はいい。みんなと一緒だから安心なんて、逃げてるだけだよね」

 水樹はこの時、この男から初めてのデートでもらった指輪を右中指にしていたし、ほかにもピンキーリングなどをしていたが、それらを全て外し、男に 手渡す。ピアスまでは取りはしなかったが、それでも、耳まで手は伸びていた。

「…返す、その指輪。ピンキーもあげるよ。…他の女にでもあげてよ。学校じゃそこそこ容姿とかで噂されてる、天野 水樹を自分の女にすることで優越 感に浸ってたんだろうけどさ。もう終わり。男と女『ごっこ』はもう、おしまい。じゃあね、さよなら」

 未練などこれっぽっちもないと言いたげに、水樹は男にそう言うと、なにが起こっているかわかっていない男に対して背を向け、人ごみの中に姿を消し た。

(・・・自分、見失ってるよなぁ。偽ってるよなぁ。表面だけ、見た目だけこんな着飾ってても、虚しいだけだし、きっと…翠浦クンが子供に見せたよう な笑顔なんて、絶対できないんだろうな…)

 人ごみを足早に歩く水樹は、自分でもこんなことを考えていることに驚いた。だが、真紅を見たときに感じた虚しさや不安定さの「何か」を感じられ た、とも思っていた。水樹は誰かの真似をして、みんなと一緒のことをする、そのことに違和感を感じ、どこか飽きてもいたのかも知れないと感じた。
 一方の真紅も、今まで水樹と色々と話しをしてきて、ただ紗美という女性に未練だけを残していても仕方ないんだと気付き始めていた。そして、紗美が居 ることで「彼女の居る自分」に満足していた自分にも気付いた感じだった。

(今回は天野先輩が近くに居てくれたから良いけど…これから誰かが近くに居てくれる保障はない。もう少し、強い志を持たないとだな・・・)

 とは思うものの、それでも自分はどこか弱い、女々しい部分を持ってしまっていると感じていた。だが、学校にいる、ただ自分と言う存在だけを求める ような女性相手では、たぶん飲み込まれる。誰かと付き合うのではなく、だけど誰かに支えられながら、少しずつ自分の想いを持って行きたいと感じてい た。


「あ、翠浦クン。…あのさ、ちょっと話があるんだけど、いいかな?」

 ある日の放課後。今まで紗美のことで相談に乗っていた水樹は、ちょくちょく真紅の学年、真紅のクラスまで来ていた。だが、ここ一週間ほどは、真紅 が立ち直りつつあると水樹も感じ、足を運ばなかった。 今まで感じていた違和感、それを解消したい、水樹はそう思って、真紅としっかり話をしようと思い、今日は久々に真紅のクラスに足を運んでいた。

「あ、はい。かまいませんけど・・・天野先輩、その…制服、どうしたんですか?」

 真紅は水樹のちょっとした変化に気付いた。
 今までの水樹は、短いスカートに緩く結ばれたネクタイ、シャツも裾を外に出しているような格好だったが、今日の水樹は、しっかりとアイロンのかかっ たぱりっとしたブラウスに、きっちり締められたネクタイ、そして、ひざ上5cm程度でいわゆる「標準」と言われる長さの丈のスカートを着用していた。
 それと、幾分派手さを出していた、指輪やピアスがまったくつけられていなかった。

「ん・・・こう言う変化のことも含めて、話しがしたいんだ」

 ボーイッシュな感じが、いつになく発揮され、そして屈託のない笑顔を見せて、水樹は真紅にそう告げる。水樹の言葉に少し疑問を抱きながら、真紅は 水樹の後について場所を移動する。校舎の屋上、開放されていたが、放課後にはあまり人の来ない場所。

「…今まで、如月紗美のことで色々と話してきたじゃない。で、なんとなく感じたことなんだけどさ。…あ、気付いたのはつい最近なんだけどね、昨日ま での私って、どこか自分を見失っていた、そんな感じがするんだよね。みんなと同じでいい、みんなから離れたくない、みんなの中で埋もれたままでいい。 そんなことを思って、本当の自分って言うのを偽っていた、そんな感じがするの」

 水樹はフェンス越しに見える街を見下ろして、そんな中に埋もれている自分を想像しながら呟く。そして、フェンスを背にするようにクルリと振り返 り、真紅の不思議そうにしている顔を見て、笑顔で続ける。

「あのさ、突然なんだけど…真紅クンにお願いがあるんだ」

 水樹の言う言葉に、真紅はなにが起こっているのか状況がつかめないで居る感じだった。ただ、水樹の変化がこの話に関係している、それだけは真紅に も理解できていた。

「…今、私に必要なものって、今まではなにも変化のないこと、それと適当に付き合える男、そうしていわゆる流行の女子高生で居たいって感じていた気 持ち・・・じゃ、ないんだと思うの。…真紅クンにさ、私だけが感じられる、真紅クンにだけある「何か」を感じたんだよね。具体的にそれがどんなことだ とかって言えるわけじゃないんだけど…ただ、そばに居て、少しずつ感じて居たいんだ、真紅クンの中にある「何か」ってものを。こんなヤツに言われても 真紅クンは困るかも知れないけど…翠浦真紅クン、私と付き合ってください、お願いします」

 水樹はそう言って、真紅に深々と頭を下げた。
 真紅は水樹のその態度に気が動転しそうな感覚を覚えていた。

「ぼ、僕と、ですか?ちょ、ちょっと待ってください、天野先輩。そんな僕みたいになよなよした、女みたいな男と付き合っても、楽しいことなんてない ですよ。それに…天野先輩はそんな風に言ってくれましたけど、僕は・・・・・・」

「ストップ。それ以上言っちゃダメ。良いんだよ、真紅クンが自分をどう評価してようとも、周りがどんな目で見ていようとも。私にとっては、いま目の 前に居る真紅クンと一緒に居たいんだ。それが、それだけが、正直な気持ち…なの」

 真紅が慌てて弁解しようとして、オロオロと話し始めたのを少し聞いた水樹だったが、その言葉は正直聞きたくなかった。真紅自身がそう思っているこ となのかも知れないが、しかし、同時に実際は多くの男女が真紅に抱いている感情でもあった。水樹は真紅がそう思っていたとしても、そのことにこだわっ てしまうのが我慢できず、真紅の言葉をさえぎった。

「別に、私が真紅クンに合わせる、とか、真紅クンが私に合わせる、とかってことはしなくて良いんだよ。真紅クンは真紅クンの自然体で、私は私の…い ままで見えていなかった自然体で、お互い居られればいいし、そういう状態でお互いに接したいと思ってる。そうやって一緒に居るうちに、自分の中に、相 手の中に、「何か」を探し出せれば良いんだと思うよ。そう思うし、それで良いと思うの。自分が女々しいと感じるならば、いっぱい女々しい真紅クンを私 にみせて?私は…どんなのが自然体かわかんないけど…でも、気張らず私は真紅クンの前で、みんなの前で、今までとは違う自分になりたいと思ってるか ら」

 水樹はそう言うと、ちょっと照れながらうつむいた。
 真紅は絶句していた。学校内でも比較的噂の絶えない、そして、上下を問わず、男子生徒から人気の水樹から、突然交際を申し込まれたのだから、当然と いえば当然だった。

「…肩の力抜いてさ、素の自分で付き合いたいんだ。…ダメ、かな?」


「・・・あの時、正直信じられませんでしたよ。水樹先輩から「付き合って」なんて告白されるなんて…。まして僕みたいな・・・」

「だから、そのことについては全面的にストップだって、あの時から言ってるでしょう?私は自分を卑下するだけ、適当なことしてきたから良いけど、真 紅は全うに自分を貫いて来たんだから、そんなに卑下しないの」

 遊園地からの帰り道。
 遊園地で一休みして、昔話を始めた二人はその話が尽きることはなかった。
 水樹は自分のことを卑下して言うことが多く、またあまり良くない見本としてはそれなりのことをしていた自覚があるだけに、例えは痛々しいものが多 かった。だが、真紅が自分の欠点だと思って、そのことを言おうとするとき、水樹は絶対にそれを阻止していた。水樹にとって、真紅のその欠点でさえ、自 分が目標として、そして何より自分が居ることでフォローができることであるならば、こんなに喜ばしいことはないと思っていたからだ。

「でも・・・あんな雰囲気だったら、次にどんな展開が来るかは、なんとなく予想できたんじゃない?」

 水樹が真紅に告白したときのことを思い出しながら、水樹は言う。普段着の水樹は比較的、女の子然とした服のほか、シャツにジーンズといった簡素な ものなども色々と着こなしていた。そのどれもが、さして派手でもなく、落ち着いていながら、自分という個は主張するものだった。そして、学校では、そ れこそ校則に則ったきっちりとした格好で制服を身に着けていた。

「まぁ…いや、でも、制服とかアクセサリーの類の変化だけでもびっくりしましたからね。それにきっかけが自分だなんて、思うはずがありませんて」

「そう?まぁ確かに、あの時駅前で、真紅を見てなかったら今の私は居ないかも…ね。だけど…そうだなぁ、真紅には告白はしたかもしれないとは思う よ。だって、如月紗美のこと相談してるときから、真紅のこと大好きだし、今だってその気持ちは変わらない。それに今までも…これからも、真紅のことを 信じてるから」

 頬を少し赤らめながら、水樹は真紅の横顔をじっと見つめたまま、真剣な声で言う。
 一方の真紅は、水樹のそんな真剣な声と、少し笑みのこぼれた顔を見て、満足そうに笑って見せた。

「・・・?どうかしたの?真紅」

「水樹先輩の自然な笑顔って、滅多に見られないけど、その笑顔を見られるとすごく幸せな感じがするんですよ。それと一緒に、あの時、ちゃんと自分は こんなだけど、それでも水樹先輩が良いなら、って言って返事できてよかったって思います」

 ニコニコと笑って見せている真紅を見て、その言葉を聞いて、水樹はなんだか聞いただけなのに自分が恥ずかしくなるような思いをしていた。顔から火 が出そうな感覚を得て、水樹は少し俯いたが、恥ずかしいついでに、今のうちに普段自分が口にしないようなことを言ってしまおうとも思っていた。

「ね・・・ねぇ、真紅クン。私さ、『あの時』から少しは変わった…かな?」

 水樹にしては珍しい仕草…上目遣いで真紅を見てそう訊く。
 真紅は一瞬、キョトンとした顔をしたが、クスッと笑った。

「こ、こら、真紅。笑うことないじゃない、それに笑う場面でもない」

 笑われて心外だと言いたそうに口を尖らせて、水樹は抗議の言葉を上げる。
 真紅は少し考え込むような態度を見せ、話し始める。

「僕の中で『天野 水樹』って先輩に変化はないです。けど、水樹先輩にとっては、きっと水樹先輩の中の『何か』が変わってきているんだと思います よ」

 真紅はちょっと照れ隠しに、人差し指で鼻の頭を掻きながら、水樹を直視しないで言った。

「・・・フーン。じゃあさ、真紅クンにとって、私ってなに?」

 水樹も赤くなっているであろう顔を隠すため、両手を組み口の前に持ってきて、ポツリと呟く。

「んー、単純に言っちゃうと…こうして付き合うのさえ意外な彼女、なんでしょうけど…反面の自分、って感じでしょうかね?」

「反面の自分…か。まぁ、確かにそんなところは私にもあるかな。真紅みたいになりたいと思うことはあるけど、なれないからね」

 真紅は少し考え込みながら、水樹に言う。水樹もその意見には納得と言った感じで、真紅の言葉にうなずいた。

「私って存在は・・・存在意義は、それだけ?」

 水樹は真紅の真剣な言葉に納得したものの、まだ足りないとばかりに真紅に訊ねる。

「私は…言ったよ?私にとっての真紅って彼の存在意義」

 釈然としない、とばかりに少しうなっていた真紅に、水樹は追い討ちをかけるように言って見せる。フフンと鼻で笑うような態度で、水樹は真紅の言葉 を待った。

「…もう、自分がさらっと言ったことを僕にまで求めようとするんだから…」

「なによ、言いたくないっての?!」

 真紅が呆れた風なことを言うと、水樹は逆に食って掛かってくる。

「…天野水樹は大好きな俺の彼女。それに、色々と助けてもらったりしたから、微力ながら、水樹先輩の変化に手助けできるようにしていきたいって思っ てるよ」

 普段のオロオロした様子から一変して、真紅が珍しく真剣な口調で水樹にそう言って見せる。水樹はその言葉を聞き、少しむず痒いような感覚だった が、でも納得したように真紅の腕を取ると、その腕を抱きしめた。

「・・・よし、合格。私は絶対、真紅から離れない。誰より大切な彼だし、もう一人の自分だしね。それに、真紅はちゃんと私を守ってくれてるから…」

 最後はなんとなく、消え入りそうな声で、水樹は満足そうに真紅の腕をぎゅうっと抱きしめる。そして、「あっ」と小さな声を上げる。

「ん?どうかしましたか?水樹先輩」

「…あのさ、真紅。もう「先輩」って呼ばないで。それと敬語で話さなくて良い。水樹って呼んでよ。対等に話、しようよ」

 水樹は真紅の声を聞いて、やっぱり、と言った感じでうなずき、その次の言葉を言う。真紅は少し面食らったような顔をしたが、特別何も言わず、ただ うなずいただけだった。

 

     To Be Continued...
     次のページへ  /  Angel’s Whispers 目次に戻る  /  一次創作作品群メニューに戻る   /  TOPページに戻る