confessions 告白 その四
翠紅の内面の美玖です。
うつ病になってみて、翠紅が色々と経験していたことを少しずつ、詳しく書いてみようと思います。
少し前までは、特別ここでしゃべるだけの役目だったのですが、メンタルサポーターという肩書をいただきました。
翠紅がドワーフだけど、鬱のドワーフ。それをサポートするために、翠紅がメンタルサポーターとして、意識下に美玖を作り出した、ということのようです。
ということで今回のお題。
「味覚がおかしくなる」
当時、翠紅は社会人何年生でしょうか、今まで特に「後輩」と呼べる人間が、やっと寮内にやってきたころ(多分)の話です。当時、NSCと言う会社の寮が路線でいうところの都営M線の某駅にありました。そして、その隣には歩ける距離の駅がありました。
大親友のU君、鬱の話の中でも名前は出しましたが、彼が入ってきて一年目?二年目?とか言うくらいの時でした。その歩ける距離の隣駅には、今はチェーン系のラーメン屋に変貌を遂げてしまいましたが、当時は「Y's」(ワイズ、と読む)というラーメン屋さんがありました。今では当然になってきている、豚骨醤油(横浜家系)のスープをいち早く取り入れ、味の濃さ、麺の硬さまでしていできる、まだ全然横浜家系がはやる前の時のとんこつ醤油のラーメン屋でした。
U君たち、当時の新入社員は、関東に拠点を置きながら、九州のほうにも一部拠点が存在する関係上、九州でも採用試験を行っていたということです。彼らは、九州拠点から東京での勤務になった人が多く、U君もその一人です。麺物についてはいろいろと西日本東日本、味が違って、戸惑っていたそうですが、この「Y's」のラーメンについては、食べられるということで、U君たちを連れ立ってよく行っていました。
そんなある日のことです。
鬱になるのに、「兆候」がある人と突然元気がなくなる人と、様々な状態でその状態の前段階を示す人もいたりするようです。翠紅もその一人でした。
…美玖が感じるに、あれが翠紅にとっての「兆候」だったのかもしれません。
というのも、さんざん「行きたい」と思っていた「Y's」のラーメンが全くおいしくないのです。ちょっとした下限かな?翠紅はそう思って胡椒、ニンニク、しょうが…などを次々と投入しても、「味の変化がない」そうでした。もちろん、味の変化をつける前から…。
それから何度か、「Y's」を訪ねましたが、どうにも翠紅の味覚が狂ってきている、そんな感じがしていたそうです。
初めはいわゆる「味覚障害」を疑ったそうですが、不思議なことに、「Y's」のラーメンで味の狂いはあっても、寮生の中で「不味い」と評判の食堂のご飯は、不味いなりに食べることができ、全体の食べ物についての味覚障害ではない…舌の異常…よく、言う「砂を噛むようにしか感じない」味覚障害とは違っていたようです。
それから…具体的にはわからなくなっているようですが、その一の、人事部長とのお話に繋がっていき、翠紅は会社を休むようになりました。